DX/IoTソリューションコラム

【連載:アイトラッカー活用講座 Vol.3】  なぜ売れる商品は目を引くのか? ~ヒートマップ分析で見る視線の集中ポイント~
【連載:アイトラッカー活用講座 Vol.3】  なぜ売れる商品は目を引くのか? ~ヒートマップ分析で見る視線の集中ポイント~
2026.09.24

【連載:アイトラッカー活用講座 Vol.3】 なぜ売れる商品は目を引くのか? ~ヒートマップ分析で見る視線の集中ポイント~

前回のVol.2では、視線分析の第一歩となるAOI(Area of Interest)についてご紹介しました。

 

AOIを設定することで、「どこを分析するのか」を明確にし、

重要なポイントへの視線の有無や滞在時間などを客観的に比較できるようになります。

 

しかし、視線データを分析するうえでは、「どこを見たのか」だけでなく、「全体としてどこに視線が集中していたのか」を把握することも重要です。

 

今回は、視線の集中ポイントを直感的に把握できる代表的な分析手法、ヒートマップについてご紹介します。

 

 

 

「見えている」と「注目している」は違う

私たちの視界には、常に多くの情報が入っています。

 

例えば、製造現場で製品を目視検査するとき、設備を点検するとき、あるいは医療画像を確認するときなど、

視界に入るすべての情報を同じように見ているわけではありません。

 

人はその中から、重要だと判断した場所や気になる場所へ視線を向けます。

つまり、「視界に入っている」ことと「注目している」ことは必ずしも同じではありません。

 

では、人は実際にどこへ注目しているのでしょうか。

その視線の集中を可視化する方法の一つが、ヒートマップ分析です。

 

 

 

ヒートマップとは?

画像

 

複数の人の視線データを重ね合わせることで、

個々の視線だけでは分かりにくい「全体としてどこが注目されていたのか」を直感的に確認できます。

 

例えば、製品を複数の作業者に確認してもらった場合、

 

  • どの部分に視線が集中しているのか
  • どの部分があまり見られていないのか
  • 本来確認すべき箇所に視線が向いているのか

 

といった傾向を把握することができます。

 

「人がどこを見ているのか」を感覚ではなく、データとして確認できることがヒートマップの大きな特徴です。

 

 

 

製造現場での活用

ヒートマップは、商品やWebサイトの分析だけでなく、製造現場における目視検査や設備点検などにも活用できます。

 

例えば製品の外観検査では、傷や汚れ、ネジ、コネクタ、ラベルなど、複数の確認ポイントがあります。

 

これらをAOIとして設定し、作業中の視線を計測することで、

「どの確認箇所に視線が集中しているのか」「重要な確認箇所が十分に見られているのか」といった情報を分析できます。

 

また、熟練者と初心者の視線を比較することで、

確認ポイントへの視線の集中にどのような違いがあるのかを確認することもできます。

 

こうした分析は、検査方法の改善だけでなく、教育や技能伝承を考えるうえでの一つの材料にもなります。

 

 

 

AOIとヒートマップを組み合わせる

Vol.2でご紹介したAOIとヒートマップを組み合わせることで、視線データをより具体的に分析できます。

 

例えば、製造現場であれば、「傷が発生しやすい箇所」「ネジ」「コネクタ」などをAOIとして設定します。

そのうえでヒートマップを確認することで、「どの確認箇所に視線が集中したのか」を視覚的に把握できます。

 

AOIが「どこを分析するのか」を定義するのに対し、

ヒートマップは「どこに視線が集中したのか」を見るための手法です。

 

この2つを組み合わせることで、取得した視線データを業務改善や教育などにつなげることができます。

 

「どこを見たか」から「どのように見たか」へ

ここまで、ヒートマップによって「どこに視線が集中したのか」を確認できることをご紹介しました。

 

しかし、ヒートマップだけでは、

「どこから見始めたのか」「次にどこへ視線を移したのか」「どのような順番で確認したのか」といった視線の動きまでは十分に分かりません。

特に製造現場では、熟練者と初心者の「見る順番」や「視線の動き」に違いがある可能性があります。

 

そこで次回は、視線の「動き」に注目して分析するGaze Plotについてご紹介します。

 

 

 

まとめ

今回は、視線の集中ポイントを可視化する「ヒートマップ」についてご紹介しました。

ヒートマップを活用することで、人が実際にどこへ視線を向けていたのか、そしてどの場所に視線が集中していたのかを直感的に把握することができます。

 

商品デザインやWebサイトの分析だけでなく、

製造現場での目視検査・設備点検、教育・技能伝承、医療・研究など、「人がどこに注目しているのか」を知りたいさまざまな場面で活用できます。

 

一方で、視線の集中だけでは、人がどのような順番で情報を見ていたのかまでは分かりません。

 

次回は、視線の「動き」に注目することで、熟練者と初心者の「見方」の違いをどのように分析できるのかをご紹介します。

 

 

 

次回予告

【連載:アイトラッカー活用講座 Vol.4】

「なぜベテランは異常をすぐ発見できるのか?」~Gaze Plot分析による技能伝承~

 

次回は、視線の移動を可視化するGaze Plot分析について解説します。

 

同じ製品や設備を見ていても、熟練者と初心者では、視線を向ける場所やその順番に違いがあるかもしれません。

Gaze Plotを活用して、熟練者の「見る」という行動をどのように可視化できるのか、製造現場での活用を中心にご紹介します。

 

 

シルバーアイでは、Ganzin社製アイトラッカーの販売・レンタルをはじめ、視線分析支援や研究・実証実験のサポートまで幅広く対応しています。

 

さらに、ARスマートグラスやAIとの連携により、次世代の現場支援ソリューションもご提案しています。

 

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