DX/IoTソリューションコラム

【連載:アイトラッカー活用講座 Vol.2】 なぜ人は同じものを見ても気づく人と気づかない人がいるのか?~AOI分析の基礎~
【連載:アイトラッカー活用講座 Vol.2】 なぜ人は同じものを見ても気づく人と気づかない人がいるのか?~AOI分析の基礎~
2026.07.14

【連載:アイトラッカー活用講座 Vol.2】 なぜ人は同じものを見ても気づく人と気づかない人がいるのか?~AOI分析の基礎~

前回のVol.1では、

アイトラッカーを活用することで「人がどこを見ているのか」を可視化できることをご紹介しました。

 

しかし、視線データを取得しただけでは、業務改善や教育、研究に十分活用することはできません。重要なのは、「取得した視線データをどのような視点で分析するか」です。

 

今回は、視線分析の第一歩となるAOI(Area of Interest)についてご紹介します。

 

 

 

「見えている」と「見ている」は違う

製造現場の目視検査や設備点検、医療現場での画像診断などでは、同じ対象を見ているにもかかわらず、異常にすぐ気付く人と見落としてしまう人がいます。

「経験の差だから仕方がない」と考えられることもありますが、本当にそれだけが理由なのでしょうか。

 

私たちの視界には常に多くの情報が入っています。しかし、そのすべてを同じように認識しているわけではありません。

視界には入っていても、重要な情報として認識できていなければ、見落としは発生します。

 

つまり、「見えている」と「見ている」は必ずしも同じではないのです。

だからこそ、作業者が実際にどこへ注意を向けていたのかを客観的に確認することが重要になります。

 

 

 

AOIとは何か?

画像

 

AOIとは、Area of Interest(関心領域)の略称で、分析したい対象や注目すべき場所をあらかじめ設定する考え方です。

 

例えば製造業では、下記をAOIとして設定できます。

 

  • 製品の傷や汚れ
  • ネジやコネクタの取り付け位置
  • ラベルや印字内容

 

 

また、

 

  • 医療画像の病変部位
  • Webサイトの購入ボタン
  • 商品パッケージの商品名や価格表示

 

などもAOIとして設定される代表的な例です。

 

AOIは、「どこを見たか」を評価するためではなく、本来確認すべき場所を適切に確認できていたのかを客観的に比較するための基準となります。

 

 

 

AOI分析が活用される理由

熟練者は、長年の経験から重要なポイントへ自然と視線を向けています。

一方で初心者は、全体を見ているつもりでも、確認すべきポイントを十分に見られていないことがあります。

 

この違いは本人も気付いていないことが多く、従来は感覚や経験だけで指導されるケースも少なくありませんでした。

 

AOIという共通の基準を設定することで、下記のような客観的な評価が可能になります。

 

  • 熟練者と初心者の違いを比較する
  • 教育で重点的に指導すべきポイントを把握する
  • 検査手順や作業方法を見直す
  • 作業環境やUIの改善につなげる

 

つまりAOIは、「誰が優れているか」を評価するためではなく、より安全で効率的な作業環境を実現するための土台となる考え方なのです。

 

 

 

AOIは視線分析のスタートライン

アイトラッカーには、ヒートマップやGaze Plot、Fixationなど、さまざまな分析手法があります。

 

しかし、その分析を行う前に重要なのが、「どこを分析対象とするのか」を明確にすることです。

AOIはそのためのスタートラインと言えるでしょう。

 

分析対象を適切に設定することで、取得した視線データをより意味のある情報として活用できるようになります。

 

 

 

 

まとめ

前回のVol.1では、

アイトラッカーによって「人がどこを見ているのか」を可視化できることをご紹介しました。

 

今回は、その視線データを分析する第一歩として、「どこを分析対象とするのか」を定義するAOI(Area of Interest)の考え方について解説しました。

AOIを設定することで、熟練者と初心者では「どこを見るべきか」にどのような違いがあるのかを客観的に比較できるようになります。

 

しかし、AOIを設定しただけでは十分ではありません。

次に重要なのは「設定したAOIに対して実際に人はどのように視線を向けていたのか」を分析することです。

 

 

 

次回予告

【連載:アイトラッカー活用講座 Vol.3】
「なぜ売れる商品は目を引くのか?」~ヒートマップ分析で見る視線の集中ポイント~

 

次回は、アイトラッカーの代表的な分析手法であるヒートマップ分析をご紹介します。

ヒートマップ分析では、視線がどこに集中していたのかを色の濃淡で可視化することで、人が直感的にどこへ注目していたのかを把握できます。

 

製造現場での作業分析はもちろん、Webサイト・広告・商品パッケージの評価など、さまざまな分野で活用されているヒートマップ分析について、具体的な事例を交えながら分かりやすく解説します。

 

 

 

シルバーアイでは、Ganzin社製アイトラッカーの販売・レンタルをはじめ、視線分析支援や研究・実証実験のサポートまで幅広く対応しています。

さらに、ARスマートグラスやAIとの連携により、次世代の現場支援ソリューションもご提案しています。

 

「視線データを活用して業務改善や研究を進めたい」

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